1999年04月01日

Welcome to daisyworld !


 毎週月曜の夜八時からJ-Waveで放送していたdaisyworldが、4月から土曜の深夜0時に引っ越して、続行することになった。週に一度の放送は大変だが、貴重な時間枠をスポンサーもつかないまま提供してくれるのだから、とても有り難いことだ。この番組は当初、SP2000というシリ-ズのひとつとして、去年の4月からスタ-トしたものだが、半年の約束が一年に延び今日に至る。

 4月3日のリニュ-アル・スタ-トでも少し喋ったが、一年もやるとやめられなくなる。かといって、依頼されなければ続けることはできない。こんなジレンマも、執着心が出てきたからなんだ。一年目が近付いて来たころ、この番組が続くかもしれないという話が出た時点で、ぼくは自分の欲に気付いた。本来執着心の強いぼくは、若いころ大事なシングル盤のコレクションや、愛用のプレシジョン・ベースが盗難にあったり、失恋や父親の死などの経験を通して執着心を捨てるようになった。さらにネイティヴな教えそのままに、刹那を生きるはめになってしまった。しかし、こと面白いことや気持ちいいことにはいまだ欲を捨てきれない。現世が好きなんだな。

 テイ・ト-ワくんからもいわれたが、あの世とこの世を行き来しているぼくは、今こそこの世をじっくり体験せずにはいられない。この20世紀に生まれ落ちて、世紀末に立ち会える今だから、ラジオをやっている意味がある。だが3月の最終日、つまり一年のラストだった29日の放送は、どうやって終わらせるかをずっと考えていたものだ。ヘリコプタ-でサヨナラするのは、半年目の十月に思いついてサヨナラしかけたときがある。このおかげで、次の土曜深夜の再スタ-ト版ではヘリコプタ-で帰って来なければならなくなった。ただしぼくが宇宙人だったというアイディアは東くんによるものだ。最近登場した「お喋りアヒルさん」は気にいっているキャラクタ-だが、誰の声かは謎にしておこう。これも今後レギュラ-になりそうだが、オットセイやたぬきやかっぱも出てくることになると思う。最終回?のテ-マは「サヨナラ」だったが、季節がら街にはリストラの声が多く、若干シリアスになったのが気になっている。放送の直前には自殺者の悲惨なニュ-スがあったし。しかし笑うことを忘れちゃあダメね。

 番組を毎週つくって行くのは少々骨がおれる。だから面白がらなければ続けることは困難だ。ということは、手を抜きさえしなければ面白いということだ。以前ロ-カル局でレギュラーを一年間やった時は、スタッフの台本とおざなりな選曲に甘んじて失敗したことがある。すぐに飽きてしまったのだ。それを教訓にして、刹那に淡々と、しかし面白がってつくってきたのがdaisyworldである。だがよく考えるとこの行為はクリエイションの別名ともいえる。音楽もこうして作られるわけだから。ただしぼくにとってラジオは音楽をつくるより楽で楽しい。作曲は大変だからね。その点ラジオは、人のつくったCDをかければいいんだから。さらに編集が面白い。DJが面白いのもポイントは編集だ。そしてぼくは編集の鬼だ。1msec.の間合いが気になる。もう遅いが、この歳になって発見したことは編集こそ天職だったということだ。それに、顔をださないで音だけの世界を構築できるラジオが向いている、ということも。

 ではここでどのように番組をつくっているか、簡単に種明かしをしようと思う。まずスタッフはそもそもぼくに声をかけてくれた、サクラ・プロダクションの桜井お姉さんのもとに、ディレクタ-の志賀青年と我が低音事務所のマネジャ-である東くん、というメンバ-である。この優秀なチームが毎週臨機応変に、つまり行き当たりばったりにつくって来たのだ。ぼくは自分のスタジオに日々閉じこもり、コントや音楽の素材をコンピュータにぶちこんで、デジタル編集をやっている。思いつきを即その場でクリエイトできるMacこそ、ぼくにとっては無くてはならないパ-トナ-である。じゃあMacのシステムを紹介しておこうかな。
* Mac/Power Mac G3 266MHz/OS 8.1
* Sound Board/PowerDomain 3940UW
* Sound System/DAE
* Aplication/DigitalPerformaer 2.5 + ProTools
久保田麻琴くんとのコラボレ-ションも、このシステムで最近スタ-トしたばかりだ。あとはティンパン・アレーのこともあるけど、それはまた今度ね。

1999.4.1 Haruomi Hosono
posted by admin at 00:10 | quiet voice ~2005