1999年01月25日

Johnny Mercerとは?

 悪性の風邪が流行っているので、気を付けましょう。映画の話題を徒然なるまま、タイプしていこうかな。まずは「真夜中のサバナ」と「L.A.コンフィデンシャル」の共通点。

 クリント・イーストウッド の作品は結構好きだけど、この「真夜中のサバナ」(Midnight in the Garden of Good and Evil) は冗長で期待はずれだったな。でも続けて見た、噂どおり面白い「L.A.コンフィデンシャル」(L.A.Confidential) と照らし合わせると、妙な符合が浮かび上がって来たんです。もちろん両方にケビン・スペイシーが出演している、といったことではなく、音楽のことだけど。両者ともサウンドトラックがとても良くて、おもわずCDを買ってしまったよ。

 まず「真夜中のサバナ」の音楽。あの映画の舞台になったサバナという街の家が、往年の大作詞家、ジョニー・マーサー (Johnny Mercer -born in Savannah, Georgia in1909)の生家だった、というのがぼくには特別なことだったんです。その後、映画館で「L.A.コンフィデン シャル 」を見たら、やはりそのジョニー・マーサーの曲が使われてました。そこで使われていた曲は、"Hit The Road To Dreamland"というんですが、この曲は数年前、戦時中の戦意昂揚、スター総出のハリウッド・ミュージカル"Star Spangled Rhythm"(1942) のビデオを手に入れた時に知ったんです。そのワンシーンでDick Powell と Mary Martin の男女デュエットが歌っていたのが好きになって以来、越美晴との幻のユニット "SwingSlow" でいつかカヴァーしようと暖めていたところでした。このHarold Arlen 作曲のオリジナルは「L.A.コンフィデンシャル」の Betty Hutton版より百倍も良い名アレンジで、"Golden Gate Quartet" の共演が素晴らしい。去年ラジオでも一度かけたから、聞いた人もいる筈だな。実はこっちのサントラ盤は偶然なんだけど、古いレコードを買い漁っていた20年前に手に入れてたんだ。そんなことも忘れてたから、アナログ・レコードの整理をしていて、これを見つけた時の嬉しさといえば、皆さんならお解りでしょう?

 ところで「放送」ではビデオの音のような、CDかアナログ以外のものは法律上使いづらいので、アナログがあったから放送できたんです。こんな話をしたからには、この曲はまたオン・エアしなきゃね。

 さてと、マーサーで最も知られている作品は、Henry Mancini と組んだ "MoonRiver(1961)、 "Charade"(1963)や、シャンソンの「枯葉」の英語訳(1947)。ホーギー・カーマイケルとも共作してるし、作詞だけではなく自分でも曲をつくる才人だ。1976年に亡くなったアメリカの国民的作詞家だけど、日本人に馴染みがないのは、「作詞」という領域だからかな。こんなことを先日、「ドマーニ」という女性誌の取材でも話したので、そのうち出ると思います。ジョニー・マーサーに興味のある方はhttp://johnnymercer.com/にアクセス。

 映画を見続けていると、作家達の傾向の流れが見えてきたりするのでやめられないんだ。同時期に見た「ブルース・ブラザース2000」もそんな映画のひとつだったっけ。ダン・アイクロイドが「このままではアメリカの伝統音楽(ロックの事だ!)が、機械の音楽(YMOがやってたやつだ!)に駆逐されてしまう!」と叫んでいた。で、ヴードゥーの手を借りてロック・コンテストに勝つという話。師匠のDr.John も出ていたので、くだらないけど楽しかった映画だ。この"Voo Doo Magic" というのが、「真夜中のサバナ」の中に出てくるネイティヴな女呪術師に重なってしまう。彼女が行った墓場の儀式は、「ブルース・ブラザース」のアチャラカに比べると、やけにリアルで恐ろし気ななヴードゥー・マジックだった。このように霊が浮遊したり、人に取り憑いたりする映画で最近の佳作は、「悪魔を憐れむ歌」でしょうか。

 はい。ついてきてくれたかな?でもこの続きは今度ね。あー疲れた。

1999.1.25 Haruomi Hosono
posted by admin at 00:10 | quiet voice ~2005